ダンソン・エル・ガト - 異色のサウンド

謎めいたコレクティブ、Danzón El Gatoのファーストアルバム「El sonido bastardo」は、ジャズ、ファンク、そしてルーツミュージックの魅力的な対話を確立している。マドリードの実験音楽シーンのアンダーグラウンドで結成されたメンバーは、今回はグルーヴから出発して伝統を探求することを決意した。マドリードでレコーディングされた「El sonido bastardo」は、リズムと風景の万華鏡だ。北アフリカ、熱帯、そしてラテンアメリカの響きが、70年代のライブラリーミュージックと黄金時代のヒップホップから等しくインスピレーションを受けたロックなリズムセクションと絡み合っている。各トラックは、時に溶け合って聴き手を境界線上に位置する多色的な領域へと導く、様々な影響が詰まった音の旅だ。それはマドリードそのものの反映であり、文化の融合から生まれた巨大都市であり、あらゆる角で混合が感じられる場所だ。Danzón El Gatoの創造の中心は、スポットライトから離れながらも常に最前線にいる、サウンドの職人であるJavier AdánとSantiago Rapalloだ。彼らは21世紀初頭、バスクの伝統と現代的なサウンドを融合させた実験ジャズバンド、Zure Guraで出会った。それ以来、Dead CapoやUMD（Unidad Mínima de Destrucción）といったプロジェクトで共に活動し、映画やプラド美術館のための実験的な楽曲も作曲してきた。驚くべきことに、レコーディングが終了して間もなく、アルバムが構想されたスアンセス地区のスタジオは解体された。長年サウンド実験の中心地であったスタジオがあった場所は、不動産市場の容赦ない進出に道を譲った。「El sonido bastardo」は、常に変化し続ける都市の、音楽が去来し、伝統に根ざしながらもコスモポリタンで奔放な姿を捉えている。