DJ Motive - サンセット・サンライズ

日本のヒップホップ・タレント、DJ Motiveとの友情を築いた後、Hell Yeahは以前CD限定でリリースされていたアルバム『Sunset Sunrise』を再発する。当初は7インチ・シングル「Sunrise」をサポートするプロモーションとしてリリースされたこのアルバムは、今回初めて2枚組12インチ・レコードとして、ジャスティン・ドレイクによる新たなマスタリングで登場する。DJ Motiveは名古屋から30分の距離にある、小さく魅力的な街、岐阜出身。そこで彼は過去20年間、数枚のアルバムとEPを通して、ラテン、ジャズ、ヒップホップのビートを融合させた独自のサウンドで、熱狂的なファンを獲得してきた。彼はまた、2020年にこのレーベルの「Calm Reworks EP」でCalmによってリミックスされたDeadBundyのプロデューサーでもある。Calmとの繋がりから、Hell Yeahの創設者であるMarcoはCovid-19以前、Motivと出会い、岐阜で彼のAlffoイベントに2度参加し、音楽談義に花を咲かせた。その中で、Marcoが気に入った『Sunset Sunrise』のCDは、それ以来彼のステレオで常時再生されており、サンプルをふんだんに使用したサウンド、インディーロック、ヒップホップ、ジャズが融合した、世界旅行のようなアルバムだ。オープニングトラック「Sunrise」ft. Deadbundy & Chemical Codexは、穏やかな波のように打ち寄せるドラムから始まり、繊細なストリングスとフィルターのかかったボーカルが幸福感を増幅させる。そこから、DJ Motiveは、ゆったりとしたブレイクビーツとキラキラとしたメロディーを重ね、豊かなパッドとノスタルジックなサンプルの中で、聴衆を雲の上へと連れて行く。「Chill On A Lotus」は、ボイス、コード、ストリングスがすべてぼやけて、天上のアンビエント・サウンドスケープへと溶け込む、損傷した古いテープのようなサウンド。他にも、ダスティなドラムとジャジーなキーボードが自由にミックスされたトラックや、「Howling 2 You」のようにジャズドラムとベレアリックなエナジーが融合した、ゆっくりと聴衆を魅了するトラック、「Walker」のようにスクイッシュシンセベースとダメージを受けたキーボードが特徴的なトラックなど、バラエティに富んでいる。このエスケープ的な旅は、さらにブレイクビーツやヤットロック、好奇心旺盛なジャズのイントロ、そして内省的な要素を強く持つサンセットグルーヴへと続く。ボーカルの断片は、半ば記憶された夢のようなもので、フックは忘れられた恋人を思い出させ、ルーズなビーツが微妙な楽観主義で物語を進めていく。『Sunset Sunrise』はDJ Motiveの一日を辿るようなアルバムで、聴くたびに新しい発見がある、活気に満ちたサウンドのコラージュだ。