ドミニク・デュモン - デュ・パラディ

ドミニク・デュモンの4枚目のアルバム『Deux Paradis』は、前作3枚と同様に、神秘と驚異に満ちた雰囲気で登場する。これは内なる世界のためのダンスミュージックであり、儀式、啓示、そして夢想を表現したものだ。『Deux Paradis』は10曲の楽曲で構成されたサイクルで、リスナーを1日のリズム、関係性の開花と消滅、あるいは人生の段階へと導く。それは目覚めをテーマにした楽曲「Enchantia」のキャンディストライプのようなダブサウンドで始まり、「La Vie Va」のピクセル化されたレゲエと「Amants Ennemis」の官能的な疾走感で太陽の軌跡を辿る。夜が訪れると、楽曲は「The Order of Invisible Things」のきらめくポップと「Visages Visages」（デシレレスのクラシックへのさりげないオマージュ）の誘惑的な脈打つリズムで黄昏のような質感を帯びる。また、「Deux Paradis」のバロック的な甘美さや「Visiteur de la Nuit」の穏やかなエキゾチズムも収録されている。以前よりも大胆で豊潤になったこの作品は、ドミニク・デュモン流のスタイルを体現しており、時代を超越したロマンチックな雰囲気でありながら、エリック・ロメールの映画のような、言い表せない郷愁感に満ちている。アルトゥルス・リエピンスが単独で作曲したインストゥルメンタル・サウンドトラック『People On Sunday』（Leaf, 2020）の後、シンガーのアネテ・ストゥチェがドミニク・デュモンに復帰し、彼女独特の生き生きとした情熱を届ける。『Deux Paradis』は、Antinoteレーベルからリリースされた『Comme Ça』（2015年）と『Miniatures De Auto Rhythm』（2018年）と合わせて3部作を完成させる。2022年から2024年末にかけて、リガとパリのスタジオ、そしてエストニアのヒュウマ島で『Deux Paradis』は作曲、編曲、レコーディングされた。