RELEASE
ドン・グロリー - ようこそ
LABEL: Bedroom Suck Recordsドン・グロリのデビューアルバム「Welcome」は、そのタイトルにふさわしい作品だ。ジャズ、ブラジル音楽、ソウル、ファンクにインスパイアされた8曲が収録されており、それらが織りなす旋律は、ジャンルを超越した新しい音楽へと溶け合っていく、万華鏡のような自由な探求の旅だ。このアルバム全体を通して、言葉や定義では捉えきれない、喜びと繋がりという無形のエレメントを感じることができる。各曲は、ドン・グロリ・プロジェクトの中核を支える精神と抑えきれないエネルギーを捉えている。完璧さよりも、超越の瞬間と不完全さが共に表現されている。ボーカルハーモニーの層は、脈打つサンバのリズムの隣で揺れ動き、スピリチュアルな響きが全体に浸透している。コンガとパーカッションはドラムキットと神聖な一体となり、ドン・グロリ自身のベースラインがそれを支える。サックス、トランペット、フルートは、ピアノとヴィブラフォンが刻んだ音楽の峡谷の間を舞い飛ぶ。これらの要素が全て融合すると、無形のもの、つまり、それぞれの曲に込められた人間的な要素、汗、興奮、そしてこのアルバムの各トラックに魂を注ぎ、リスクを負うことを厭わない各ミュージシャンの姿勢を感じることができるようになるだろう。冒頭のスピリチュアル・ジャズ「Maiden Waters」から、沸き立つストリートパーティー「Dlareme」、そして大胆に魅惑的な「Commodore」で終わるまで、これは広範な作品であることが明らかだ。このアルバムは、ダンスフロアでも、居間の絨毯の上でも、同じように楽しめるだろう。