Moving Still - Close To The Shams EP

針がレコードに触れた瞬間から、リスナーはMoving Stillの世界に引き込まれる。ジッダ生まれ、ダブリン在住のアーティストは、Bordello A Parigiに「Close to the Shams」を収録。これは彼の幅広い才能と、さらに幅広い影響を凝縮した4つの作品だ。「Zaman」では、鼓動するパーカッションがピアノの旋律とブラスの爆発を押し上げる。SWANA（西アジア・北アフリカ）を思わせる香りがトラック全体に織り込まれ、スネアドラムのロールがこの爽快なオープニングにスパイスとスピードを加える。「Bang of Luban」ではテンポが落ちる。ビートは強化され、アシッドな歪みがテクスチャを加え、中心となるメロディーは伝統的なリフレインからハウスのリイメージングへと変化していく。これらの伝統的な基調はB面にも続く。タイトル曲は大きく大胆で、キックはブロークンビートに分割され、繊細なミズマールの音色がカワセミのような俊敏さで飛び跳ねる。「Sunday Rollover (Suntop Mix)」がこの4曲のEPに幕を閉じる。リラックスしたリズムが、低音のラウンジラインを支え、空間を与える。夢見心地で魅惑的なフィナーレは、Moving Stillの広さと深さを際立たせるEPだ。