阿部慎一 - 規律
LABEL: DDS国際的なダブテクノの謎の人物、アトベ・シノイチが、Demdike Stareレーベルと初めて出会ってから10年を経て、新しいステッパーと唇をよだれさせるようなフェザード・スワンを収録した2枚組アルバムでDDSに帰ってきた。DJ Sprinkles、Red Planet、Mike Huckaby、Sususmu Yokota、Convextion、NWAQといったアーティストが好きなら、これは必聴だ。長年、アトベは有名なアーティスト(おそらくドイツ人)が偽名を使っていると信じられていた。華やかなTwitterのフィードといくつかのインタビューのおかげで、そうした誤解はついに払拭された。しかし、依然として伝記的な事実をほとんど明かしていないアトベは、7枚目のアルバム「Discipline」で、典型的な感情的に繊細で特別なスタイルで音楽が語ることを許している。90年代のディープハウス、ダブテクノ、アンビエントシーンの主要な要素をさらに洗練し、ほぼ完璧にまで磨き上げたものだ。クラブミュージックのEQのせめぎ合いで失われた感覚と、ゆったりとした動きへの感覚を呼び起こし、近年の彼の作品を特徴づける、言葉では言い表せないほどの軽やかさ、そして新たに生まれたエフェルベッセンスを携えている。低音量でも高音量でも美しく伝わる、真の電音魔術がミックスに織り込まれており、他に類を見ないほど優雅に体を動かすように導いてくれる。アトベの先延ばしされた満足感と穏やかな威厳の把握こそが真の鍵であり、「SA DUB 1」のふわふわとした8ビットメロディーとくすぶるテクノベースから、優しいビートダウンとほろ苦いFMコードへと、そして「SA DUB 2」ではConvextionやAGCGのGoa風のヘアキス・トランスへと、さらに「SA DUB 5」ではRed Planet風のテクノとシューゲイザー的な酸味のあるパノラマへと、そして「SA DUB 6」ではTerrence Dixonのようなレベルのモーターシティのメカニカルなノウハウを定義し、「SA DUB 7」では水中の真珠のようなダブハウスの約束へと繋がっていく。最高傑作だ。