ステファン・リンガー - メタミュージック x ローグ EP

このプロジェクトは、まさに二枚組の作品です。リンガーの2021年リリース「Meta Music EP」からの3曲と、彼のダークでアグレッシブなもう一つの名義Black Suedによる「Rogue EP」を組み合わせたものです。このEPは、陰と陽のような存在です。「Monotone」は、高揚感のあるボーカルと脈打つ、ほぼ歪んだベースラインを持つ、深いコード進行のトラックです。このトラックは、ミニマルなドラムとシンプルながら美しいシンセのリフによって補完され、全体をまとめ上げています。「New Plan」は、リスナーを動かすような、速いテンポの曲です。ドラムとコードがリズミカルなダンスで競い合い、リンガーのボーカルはこの12インチレコードの片面のエッセンスを表現しています。ポジティブさと粘り強さ、このトラックには活力が満ち溢れています。Yes I Amを意味する略語である「YIA」は、瞑想的で、リスナーへの肯定的なメッセージで満ちています。深く荘厳なコードと雷雨の音は、リスナーを内省の場へと誘います。これらの肯定的なメッセージはリスナーが体現するためのものであり、この12インチレコードの片面を、考えさせられる素晴らしい形で締めくくっています。このレコードの片面のタイトル曲である「Rogue」は、知性的でダークでジャズ色の強いグルーヴで、リスナーを旅へと誘います。このグルーヴはすぐに掴めて、リスナーをリズムとメロディーの、ほとんど神秘的な風景へと巻き込みます。この12インチレコードの片面のトーンを保っているのが「Maze」です。コードとリズムは、マーチングバンドを思わせるビートに合わせて連動して進みます。16分音符のハイハットと、このトラックを次のレベルへと引き上げる長い特徴的なコードが合わさり、より高いエネルギー感をもたらします。「Deep Dirt」は、ドラムマシンが調整されたり、誤作動したりしているような印象を受けます。不吉なコードと歪んだシンセとベースラインが、リスナーをこのトラックの汚れへと引きずり込みます。