RELEASE
ロバート・グラスパー - 都市への鍵 第1巻
LABEL: Loma Vistaヒューストン生まれのピアニスト兼制作者ロバート・グラスパーが、『Keys To The City Volume One』を携えて帰ってきた。本作は、ニューヨークのブルー・ノート・ジャズ・クラブで毎年行われる彼の「ロブトーバー」定期公演を形づくる化学反応を、生々しく写し取った記録である。持ち味となった肩の力の抜けた自在さと、危うさを恐れぬ賭けをそのままに、実演の場で収められたこの一枚には、ブラック・ソートからノラ・ジョーンズ、サンダーキャットまで、拡がり続ける仲間たちが集い、それぞれがその場で音楽の姿を刻んでいく。LPは、抽象と、じわじわと熱を帯びる魂の響きのあいだを、彼の歩みを導いてきたのと同じ軽やかさで行き来するグラスパーの姿を明かす。「Step Into The Realm」は気負いのない躍動で扉を開き、「Paint The World」はきらめく和声へと伸び、「Prototype」はより親密な熱を帯びて着地する。「Didn't Find Nothing In My Blues Song Blues」にはユーモアがあり、「One For Grew」と「The Look Of Love」には静かな献身が宿る。そして「Over」が幕を下ろすころ、この作品は実演の一席というより、琥珀の中に封じ込められた一夜のように感じられる。