DJフィジカル - モータルダンス
LABEL: 1Ø PILLS MATEフランスアルプスのど真ん中で生まれ育ち、現在はパリに住むDJ Physicalのサウンドは、荒々しいロマンチシズムそのものだ。雪に覆われた山頂の美しさや静けさ、そしてフランス・テクノの獰猛な性質が融合した結果、彼の「Raw Poetry」という美学が生まれたのかもしれない。それは、暗闇と光が感情的に融合したもので、アンダーグラウンドクラブだけでなく、コンサートホールや劇場にもふさわしいと感じられる。そして今、パリのこのDJが、1Ø PILLS MATEのために、陰鬱なエレクトロとテクノの5つの強力なトラックを届けてくれる。
「Not So Human」は、現代テクノのサウンドスケープにトランスの影響を与えているが、やりすぎではない。トランスに支配されるのではなく、トランスを少し含んだ、波状のテクノの妥協のないサウンドは、物事を一段階上に引き上げたい時に最適な伴奏となる。「Sex Club」は、DJ PhysicalsがRaw Poetryに抱く魅力を維持しており、ブレイクス主導のブレイクダウン、背筋をゾクゾクさせるような雰囲気、そして低音のベースラインが満載で、新進気鋭のプロデューサーが持ち合わせる多様な影響力を際立たせている。
アシッドシンセのラインと活気のあるトランスの要素が、レコードを裏返して「Mortal Dance」を聴くと、全体的に軽やかな気分にさせてくれるが、「Easy Dancer」では、プログレッシブで奇妙なエレクトロニカの激しいサウンドで、完全に雰囲気が変わる。
リリースを締めくくるのは「Go Further」だ。霧に覆われたようなエレクトロ、サザン・トラップのサンプル、そして独特の高尚なアンビエント・インターリュードが、感情的な謎めいた雰囲気を作り出している。あらゆる要素がバランスよく融合し、予想外の展開が満載の、DJ Physicalの「Raw Poetry」が最高の形で表現された一枚だ。